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Behind North Korea’s New Missile Launches in the Midst of Coronavirus Pandemic

新型コロナウィルス拡大の中で強行された北朝鮮のミサイル実験について憶測広がる

Photo: North Korean leader Kim Jong Un and President Donald Trump at the Singapore Summit on June 12, 2018. Source: @Scavino45 of Dan Scavino Jr., the White House Director of Social Media and Assistant to the President.【ニューヨークIDN=サントー・D・バネルジー】

国際社会が世界的な新型コロナウィルスの感染拡大との闘いで手いっぱいになる中、北朝鮮による今年初のミサイル発射への対応が制約を受けている。国連安全保障理事会は3月5日に非公開会合を持ったが、決議案に合意できなかった。

しかし、英国・ドイツ・フランス・エストニア・ベルギーが「共同声明」を出し、「北朝鮮が3月1日に実施した弾道ミサイル実験を深く憂慮する」と述べた。

英国とフランスは安保理常任理事国の2カ国であり、ドイツ・エストニア・ベルギーは非常任理事国である。

共同声明は、「北朝鮮に関する専門家パネルは、同国が核計画及び弾頭ミサイル計画を継続してきた事実に着目してきた。」と述べ、北朝鮮が2019年5月以来、弾道ミサイル実験を14回行ってきたと指摘した。

この2つの常任理事国と3つの非常任理事国は「地域の安全や安定、国際の安全と平和を損ない、全会一致で採択された国連安保理決議の明白な違反となる、こうした挑発的な行為」を非難した。

共同声明は、「引き続き北朝鮮に対して、非核化に向けた米国との協議に誠実に臨み、完全、検証可能かつ不可逆な形で全ての大量破壊兵器と弾道ミサイル計画を廃棄するための具体的な措置を取り、さらなる挑発を控えることを強く求めていく」ことを確認した。

さらに共同声明は「朝鮮半島に安全と安定を達成するにはこの方法しかない。挑発し続ければ、交渉の成功に向けた見通しは損なわれる危険性がある。」と続けた。

安保理が決議案に合意できなかったという背景の下(合意できなかったのは米国・ロシア・中国から異論があったためと報じられている)、先の5カ国は「安全保障理事会がこれまでの決議を完全履行し、引き続き(対北朝鮮)制裁の実効力を維持することが重要だ。」と述べた。

ロシアと中国は、安保理制裁により北朝鮮の民間人に被害が及んでいることを懸念し、制裁の一部を解除することで米朝間非核化交渉の行き詰まりを打開できる可能性があるとの期待を表明してきた。

中ロ両国は2019年12月、北朝鮮に数億ドル規模の収入を与える産業部門に対する制裁を解除するための決議案を提出した。これらの制裁は、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発への資金を断つために2016年から17年にかけて導入されたものだ。北朝鮮は、ミサイル開発・核開発に関して2006年以来、国連の制裁下にあり、安保理はこの間一致して、同国への制裁を強化してきた。

国連の張軍国連大使は3月2日に記者団に対して、「決議案の文面はまだ交渉の俎上に上ったままであり、様々な見解を受け入れる用意がある。朝鮮半島の状況をさらに改善するためのより良い環境を作り出すうえで、この決議は重要なステップであると私たちは認識している。」と語った。

英国・ドイツ・フランス・エストニア・ベルギーの共同声明は国際社会に対して「安保理が採択した決議に従って履行状況を報告することも含めて、これらの制裁を厳格に執行する義務に従うよう」求めた。

3月21日に北朝鮮が行った2回の弾道ミサイル実験の報に接して、ドイツ外務省の報道官は、この2発の短距離弾道ミサイル実験を「痛烈に」非難した。「今月行われた2回の実験によって、北朝鮮は国連安保理による関連決議の順守義務に再び違反した。これらの実験実施によって、北朝鮮は無責任にも国際の安全を危機に陥れている。」

ドイツ政府は北朝鮮に対して、国際法に基づく責務に従い、とりわけ、さらなる弾道ミサイル実験を控え、北朝鮮が離脱した対米交渉を再開するよう呼びかけている米国の提案を受け入れるよう求めた。

識者らは、2019年2月27・28両日にベトナムで行われた2度目の米朝首脳会談が失敗に終わって以来、北朝鮮は弾道ミサイル活動を再開し、その能力を拡大するための実験を行っているとしている。

金委員長が今年の新年演説の冒頭で、「ヤクザのような」米国の制裁と圧力に対して北朝鮮の核抑止力を強化すると述べたことを、識者らは指摘している。

クリストファー・フォード米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)は3月19日の記者会見で、トランプ政権は、シンガポールでの第1回目の米朝首脳会談でなされた約束を「できるだけ早く」履行することを目的とした北朝鮮との作業レベルの協議を開始する「用意も意思もある」と繰り返した。

金委員長は2018年のシンガポールでの首脳会談で、朝鮮半島の完全なる非核化に向けた作業を行うとのあいまいな約束をし、両国首脳は恒久的な和平の構築に向けた関係改善に合意した。しかし、その後2回のサミットと下位レベルの会合では、これらの合意の具体化に向けた進展が見られなかった。

国際基督教大学のスティーブン・ナギ上級准教授によれば、北朝鮮による3月のミサイル実験は、新型コロナウィルスの被害が拡大するなか、一部の制裁解除と援助を勝ち取るためにトランプ政権の目を再び北朝鮮問題に向けさせることを狙ったものであるという。

「金外交の失敗を念頭に、世界の目は新型コロナウィルス問題に注がれるようになり、トランプ政権は北朝鮮問題を議論すらしなくなってきている。そこで北朝鮮のミサイル実験は米国に対して、北朝鮮は依然として対応が必要な破壊的な勢力であるとのシグナルを送ろうとした。」というナギ准教授の見解を共同通信は伝えている。

実際、他の外交問題の専門家らも、2期目を狙うトランプ大統領が、11月に行われる大統領選挙に向けて北朝鮮から恥をかかされたくないと思っていると金委員長が考えているはずであり、引き続きミサイル実験が行われることになるだろうと考えている。

しかし、ある外交筋は、新型コロナウィルスの拡大は既に北朝鮮経済に大打撃を与えており、米国に対する挑発を拡大することに疑問を呈している。(03.25.2020) INPS Japan/ IDN-InDepth News

 

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