Israeli Disarmament Movement Steers Through Nuclear Ambiguity

核の「曖昧政策」のなかで活動する「イスラエル軍縮運動」

【アンマンIDN=バーナード・シェル】

Photo: Demonstration in Tel-Aviv against nuclear weapons. Credit: The Israeli Disarmament Movement.イスラエルのメディアは、2017年12月10日にオスロで行われた、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に対するノーベル平和賞の授与式を黙殺した。もっとも、イスラエルの駐ノルウェー大使は式典に出席した。

ICANの中東における主要なパートナー団体である「イスラエル軍縮運動」(IDM。シャロン・ドレブ氏が創設し、現在議長を務める)がこの6年間イスラエルの世論に影響を与えてきたものの、イスラエル・メディアによる黙殺は驚くべきものではないとみられている。

ICANはエジプトやイラン、レバノン、パレスチナ、シリア、イエメンにもパートナー団体がある。

「イスラエル軍縮運動」のイスラエルにおける法人名称は、「地域平和軍縮運動(The Regional Peace and Disarmament Movement (RPM) )」(2010年創設)で、中東における非大量破壊兵器地帯(WMDFZ)の創設と、核兵器の全面禁止の実現を主要目標に掲げてている非政府組織(NPO)である。

イスラエル法務省にNPO登録している「イスラエル軍縮運動」の活動目標は、①核兵器禁止に向けた世界的な取り組みの一環として核軍縮運動を推進すること。②核兵器やその他の大量破壊兵器に関してイスラエルの世論を促進すること。③核兵器禁止に向けた国際的な取り組みや諸条約にイスラエルを組み込んでいくこと。④とりわけ中東非大量破壊兵器地帯の創設を呼びかける国際的・地域的取り組みや、「アラブ和平イニシアチブ」、「平和的エネルギー」のような中東地域における再生可能エネルギーの取り組みにイスラエルを参加させること、としている。

「イスラエル軍縮運動」を創設したドレブ氏は、ベテランの平和・人権活動家として、これまでに「メレツ党(イスラエルで「民権運動」とも称される社会民主系の左派政党)」、「ジュネーブ・イニシアチブ」、「ウイメン・イン・ブラック(戦争と軍国主義、女性への暴力に反対する国際女性ネットワーク)」などで経験を重ねてきた。

ドレブ氏は、メレツ党のアクションコーディネーター、メレツ青年同盟の議長を務めたほか、グリーンピースでは「平和・軍縮・核キャンペーン」を率い、同団体のイスラエル支部長も務めた。

+972ブログ」の取材に応じたドレブ氏は、ノーベル平和賞授賞式に関するイスラエル・メディアの沈黙、そしてイスラエルの軍縮運動における自身の役割について、「もし私が国連で占領地域[訳注:イスラエルによるパレスチナ占領地域のこと]での人権侵害について話したとしたら、イスラエル中の新聞の見出しを飾り、すべての閣僚が私を攻撃したことでしょう。」と語った。

ドレブ氏は他方で、仮に国連総会でイスラエルの核開発計画とその縮小の方法について語ったとしても、誰も自分を攻撃しないだろう、とも語った。「この問題について、私があえて口を開いたとしても、誰も私を『非国民』などとは呼ばないでしょう。つまり、(イスラエル政府が推進してきた核の)『あいまい政策』があらゆる方面で効いているのです。」ドレブ氏は語った。

イスラエルは長年にわたって意図的に「あいまい政策」を採用してきているが、その根底にある動機は、大量破壊兵器の保有を認めることを拒否する点にある。

核脅威イニシアチブ(NTI)によると、イスラエルはかなりの規模の核戦力を保有していると広く見なされているが、核保有の有無を曖昧にする政策をあえて採っている。イスラエルの初代首相デイビッド・ベングリオン氏は、イスラエルが近隣アラブ諸国から受けていると見なしていた生存にかかわる脅威に対処するため、フランスの支援を得て1950年代半ばから末にかけて核開発計画を始動した。

イスラエルの核開発計画は、ディモナという町の郊外にあるネゲヴ原子力研究センター(ヘブライ語の略語では「KAMAG」)を中心としている。ここでは、1960年代初頭、フランスの支援によってプルトニウム生産炉が臨界に達した。

NTIによると、「イスラエルは、『6日戦争(第3次中東戦争)』に先立つ1967年5月末、最初の初歩的な核装置を組み立てたと言われている。ディモナ炉のプルトニウム生産能力に関するおおよその推計によると、イスラエルは約840キロの兵器級プルトニウムを生産したとされるが、これは核弾頭100~200発分に相当する」という。

同時に、イスラエルは核不拡散条約(NPT)への加入を拒否し続けている。イスラエルは、中東非核兵器地帯の理念を支持する一方で、その交渉の前提条件が中東における包括的平和であると主張して、協議入りに難色を示してきた。

「イスラエル軍縮運動」は中東における非大量破壊兵器地帯の創設を支持しているが、イランの核開発問題の外交的・平和的解決も支持している。また、軍縮への取り組みや大量破壊兵器の危険性について、イスラエルの一部のジャーナリストと接触し情報提供を行っている。

「イスラエル軍縮運動」のある関係者は、対外活動について「大量破壊兵器は一般的に、知識人サロンの間での話題になることはありません。イスラエルではなおさらそうです。

軍縮問題に関するイスラエルの公の論議はイラン問題に矮小化され、イスラエル自身の戦力や、イスラエルが世界の軍縮の取り組みで果たすべき役割については触れないように、注意深く囲い込まれた議論になっています。『イスラエル軍縮運動』の教育プログラムでは、学者、専門家、講師による講義コースやセミナーを提供しています。」と語った。

「イスラエル軍縮運動」は同国において、ICANの運動だけではなく「平和首長会議」も代表している。そして草の根運動として、一般市民を活動に取り込むことに重きを置いている。印刷物を配布するだけではなく、広島の被爆者の証言を聞く機会や、核軍縮問題の国際的専門家と討論する機会を設けたりしている。

「イスラエル軍縮運動」は、イスラエル国会で初めて軍縮問題のロビー活動を始めた。毎年、専門家による講演会を催し、国会議員と公の討論会も実施している。また、議員に質問をしたり、ロビイストに関連する情報を提供したりしている。

「私たちの組織は、大量破壊兵器と、とりわけ核兵器に反対するイスラエルのNGO連合の構築・維持に力を入れています。」と「イスラエル軍縮運動」関係者は語った。2013年12月には、「中東における非核兵器・非大量破壊兵器地帯の創設を目指す国際会議」をハイファで開催した。会議の目的は、中東地域から大量破壊兵器を根絶することに関する議論を促進することだった。

イスラエルでは、「あいまい政策」によって、旧来からのメディアがリスクを冒さずに言える範囲に影が投げかけられている。「イスラエル軍縮運動」は、そうした障害を回避するために、大量破壊兵器の危険性とそれに依存しない他の選択肢について、資料を継続的に翻訳している。翻訳文と発行物は印刷され、政治家やメディアに渡されているほか、インターネットのようなニューメディアを通じて一般市民にも提供されている。(12.27.2017) INPS Japan/ IDN-InDepth News 

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