Reporting the underreported threat of nuclear weapens and efforts by those striving for a nuclear free world.

A project of The Non-Profit International Press Syndicate Group with IDN as flagship agency in partnership with Soka Gakkai International in consultative
status 
with ECOSOC.

 

Experts Denounce U.S. Withdrawal From Iran Nuclear Deal

専門家らが米国のイラン核合意離脱がもたらす幅広い悪影響を予測

【ニューヨークIDN=J・ナストラニス】

Photo: Trump ending U.S. participation in Iran Nuclear Deal. Credit: White House.専門家らによると、ドナルド・トランプ大統領のイラン核合意からの離脱決定は、多くの計り知れない不安要因をもたらした。1995年のノーベル平和賞受賞団体である科学と世界の諸問題に関するパグウォッシュ会議は、「(この判断は)これまで厳密に核に限定されていた枠を超えて、幅広い悪影響を招きかねない高くつく過ちだ。」と断じた。

2017年のノーベル平和賞受賞団体である核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)も、この判断は、「機能している合意を台無しにするのみならず、協定・外交上のパートナーとしての米国の信用に大きな打撃となるものだ。」と警告した。

核時代平和財団は、米国の離脱は、「国際的に重大な結果を伴う」「危険な動き」と述べた。また、独立系シンクタンク軍備管理協会(ACA)のダリル・キンボール会長は、トランプ大統領の決断は、「外交を誤る無責任な行為だ」と語った。

トランプ大統領の決定は、イランとP5+1(米国・英国・フランス・中国・ロシア・ドイツ)が長年にわたる前向きかつ忍耐強い外交交渉を経て締結した画期的な不拡散合意を台無しにするものだ、とパグウォッシュ会議のセルジオ・ドゥアルテ議長とパオロ・コッタ・ラムシーノ事務局長は、5月9日に発表した声明の中で述べた。

「(核合意は)イランに対して最も強力で包括的な検証体制を課しているのみならず、国際原子力機関(IAEA)も、イランの核計画を担保する包括的共同作業(JCPOA)をイラン政府が遵守していると繰り返し認定してきた。」

バグウォッシュ会議の声明は、イランのハサン・ロウハニ大統領が(核合意の)現状維持について他の締結国と協議するとした発言を歓迎するとともに、「このことに関して、(米国以外の)他の締約諸国が、共通の安全保障のために、引き続き合意内容の履行にコミットしていると声明を出したことを歓迎する。」と述べている。

パグウォッシュ会議の両リーダーは、全ての関係諸国に対して、とりわけ不安定な中東地域において、これ以上緊張を高めるような行動を避けるよう強く要請した。中東地域は既に、地域の不安定さを引き起こす力学を変えるにはあらゆる国々の外交的関与を必要とする様々な紛争に見舞われている。いまこそ、包括的共同作業(JCPOA)に留まっている残りの締約諸国が責任あるリーダーシップを発揮する時であり、国際社会に対して、これらの国々による努力を支持するよう要請する、とバグウォッシュ会議の声明は述べている。

サンタバーバーラに本拠を置く核時代平和財団は、声明の中で「イラン核合意からの離脱は、(1)イランが核兵器の開発を推進する可能性をかえって高めることになる。(2)米国とイラン間の戦争が勃発するリスクを高めることになる。(3)米国と主要な同盟国の間に溝を生むことになる。(4)米国の公約は信頼がおけないことを示すことになる。(5)国際社会における米国の指導力の欠如を一層印象付けることになる。(6)北朝鮮との核協定の実現に悪影響を及ぼすことになる。」と警告している。

声明はさらに、「トランプ大統領の決断は、米国と同盟諸国との関係を、新たに不確実な領域に誘うことになった。これらの同盟国はイラン核合意にとどまる決意をかためているため、今後米国がイランに対して厳格な経済制裁を再開すれば、米国との間に外交・経済的論争が発生する公算が高い。」と述べている。

「トランプ大統領のイラン核合意離脱という決断は、欧州各国の首脳が代替案の交渉のための時間をもうけるよう、トランプ大統領に対して懸命な説得を続けていたにもかかわらず、こうした努力を全く無視した形でなされた。」トランプ大統領の前任の補佐官たちも、昨年2度にわたって、イラン核合意から脱退しないよう大統領の説得に成功していた。しかし前任の補佐官らよりもはるかにタカ派のマイク・ポンペオ氏ジョン・ボルトン氏は、トランプ大統領の今回の決断に際して、思いとどまらせようとはしなかった。

核兵器平和財団のデイビッド・クリーガー所長は、「これは現代において最悪の外交政策上の決定になるかもしれません。今回の出来事は、弱い者いじめをする不適任な人物を米国の大統領に持った負の側面が如実に表れたといえるでしょう。トランプ大統領は、イランが核保有国になるのを防ぐために主だった同盟国の支援を得て練り上げられた協定を維持するどころか、むしろイランに無理強いすることに余念がないようです。これは、トランプ大統領を早急に弾劾すべき、もう一つの理由になります。」と語った。

ワシントンDCに本拠を置く独立系シンクタンク軍備管理協会(ACA)のダリル・キンボール会長は、JCPOA(イランに関する包括的共同作業計画)として知られる、P5+1(中国、フランス、ドイツ、ロシア、英国、米国)とイランの間の2015年核合意の柱の一つである、(イラン中央銀行と石油部門の取引をめぐる)制裁免除措置の延長を認めないとしたトランプ大統領の決定を非難した。

「トランプ大統領が、これまでイランによる核爆弾取得の道を成功裏に封鎖してきたイラン核協定に違反する決断をしたことは、無責任な外交上の過ちと言わざるを得ません。」とキンボール会長は非難した。

「イランによる違反がない中で、制裁を再開することは、2重の意味でイラン核合意における米国の公約を破棄するものであり、米議会議員とP5+1パートナー諸国は、トランプ大統領の行動を協定破棄として非難することが非常に重要です。」と、核軍備管理協会の核不拡散政策部門の責任者であるダベンポート・ケルシー氏は説明した。

「トランプ大統領による今日の措置が、イラン核合意そのものの存立を脅かすものではないが、他の当事国、とりわけE3(フランス、ドイツ、英国)が、既にイランとの取引を開始している自国の企業や銀行を米国による第二次制裁の影響から保護する措置を早急にとらないかぎり、イラン核合意の将来を危うくすることになります。」とダベンポート氏は警告した。

「私たちは、E3、ロシア、中国、及びその他の責任ある国々に対して、米国抜きでイラン核合意の履行を追求するよう、そして米国による第二次制裁の適用から保護する措置をとるよう呼びかけています。私たちはまた、イラン政府に対して引き続き核合意での義務を遵守するよう強く促しています。核合意で制限されている厄介な核活動を再開することは、イランの利益にはならず、一層深刻な危機を誘発するリスクがあります。」とダベンポート氏は語った。

「欧州のパートナー諸国が、トランプ大統領の不満に対処すべく追加規制の可能性を米側と交渉してきた取り組みは、トランプ大統領がイラン核合意における米国の公約順守を頑なに拒否し、欧州のパートナーに対して合意内容の大幅変更を一方的に課すよう協力を求めたことで、実を結ばなかった。」とキンボール会長は語った。

イラン核合意は、イランの核活動を強力な国際監視下に置くとともに、ウラン濃縮能力を厳格に制限し、その他の微妙な原子力活動を禁止する、強力な核不拡散合意です。トランプ大統領は、今後合意に基づいて同盟諸国と協力して長期にわたる外交戦略を作り上げるというよりは、無謀な行動を通じて、むしろ核拡散の危機を促進しているのです。」とキンボール会長は非難した。(5.11.2018) INPS Japan/ IDN-InDepth News