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The Threat or Use of Nuclear Weapons Violates the Right to Life, Warns a UN Committee

国連人権委員会、核兵器の使用とその威嚇は生命権への侵害と警告

Photo: UN Human Rights Committee. Credit: Australian Human Rights Commission【ジュネーブIDN=アラン・ウェア】

核兵器の使用やその威嚇は「生命に対する権利の尊重と両立せず」、「国際法における犯罪に該当する可能性がある」と国連人権委員会が警告した。10月30日に採択された、自由権規約第6条「生命に対する権利」に関する一般コメントNo.36(2018)で指摘された。

一般コメントの第3パラグラフによると、「生命に対する権利」とは、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)第6条に成文化されている通り、「不自然あるいは早期の死を引きおこすことを意図した、あるいは、それが予測されるような行為や不作為から解放されて生き、同時に、尊厳ある人生を享受する個人の権利」である。

加えて、生命に対する権利は、「武力紛争や、国家の存亡を脅かすような公共の緊急事態下にあっても、逸脱することが許されない至高の権利」である。この権利は、「その他すべての人権を享受する前提条件」となるものである。

今回の一般コメントは、1982年と84年にそれぞれ採択された「生命に対する権利に関するコメント」に代わるものである。

人権委員会は、核兵器禁止条約の脚注273で言及されている。また、大量破壊兵器(WMD)の不拡散や軍縮に関する義務に貢献する重要な条約である核不拡散条約(NPT)包括的核実験禁止条約(CTBT)化学兵器禁止条約生物兵器禁止条約でも同様である。

人権委員会はまた、核兵器国が「厳格かつ効果的な国際管理の下での核軍縮の目的を達するために誠実に交渉を追求する国際義務を尊重する」よう要求した1996年の国際司法裁判所による勧告的意見を言及し支持している。このことは、核軍縮に関する慣習法的な義務、言い換えれば、ある国がNPTや核兵器禁止条約の加盟国であるかどうかに関わりなくもつ義務を強化した。

さらに人権委員会は、自由権規約の加盟国には「国際的責任の原則に従って、大量破壊兵器の実験あるいは使用によって生命に対する権利が悪影響を受けた犠牲者に対して適切な賠償を行う」義務があるとした。

一方、人権委員会は、「自由権規約の加盟国は核兵器禁止条約を支持すること」を一般コメントが要求すべきとの婦人国際平和自由連盟(WILPF)からの請願は採択しなかった。また、NPTやCTBTなど他の関連条約の未加盟国に対して、加盟を呼びかけることもしなかった。これによって委員会は、国家は、自らの選択に従って条約に加入したり、その外に留まったりする自由があるとの一般的な理解を反映したと言える。

しかし一般コメントは、核兵器禁止条約の基本的要素を盛り込むことで、同条約に未加盟で近い将来加入する見込みがない核保有国やその同盟国に対して、これらの要素の影響をいかにして与えるかという模範を示したと言えよう。

今回の一般コメントの起草と採択には3年がかかった。諸政府や学者、NGOなどの高い関心を反映して、さらには、中絶や自殺ほう助、非致命的兵器、性的マイノリティの暴力からの保護、亡命、死刑、大量破壊兵器、賠償責任といった意見の対立している問題を扱わねばならなかったために、予定よりも1年ほど長くかかった。

国際反核法律家協会(IALANA)やスイスにおけるその加盟団体「スイス核軍縮法律家協会」(SAFNA)はとりわけ、核兵器やその他の大量破壊兵器に関する審議に関与した。

人権委員会に提出した書類や声明において、IALANAとSAFNAは、一般コメントには次の内容を盛り込むべきだと要求した。

・生命に対する権利に反するとして、核兵器やその他のWMDの使用やその威嚇を非難すること。

・NPT第6条と慣習国際法に従って、完全なる核軍縮を達成する義務を確認すること。

クラスター弾禁止条約地雷禁止条約、核兵器禁止条約など、さまざまな条約でWMDの使用や実験の犠牲者の権利がますます認知されるようになってきている状況に照らして、それら被害者に対する適切な賠償の義務を盛り込むこと(もっとも、核兵器禁止条約は、加害に対する国家の責任よりも、被害者が居住する国による被害者支援の方に焦点を当てている)。

2018年の一般コメントは、これら3つの要素を含んだことで、「核兵器の製造・実験・保有・配備・使用が禁止され、人道に対する罪と認識されるべき」であると確認した1984年の一般コメントからの重大な前進となった。

「1984年の一般コメントは、時代状況を反映して、核兵器による信じがたい危険を認知し廃絶せよとの明確な呼びかけであった。」と語るのは、IALANA国連事務所の所長であるジョン・バローズ博士である。

「対照的に、2018年の一般コメントは、1984年以来の法的事態の進展を基礎にして、核兵器の使用あるいはその威嚇は生命に対する権利と両立しないとの言明に始まる冷静な法的議論を展開したものだ。」とバローズ博士は付け加えた。

核兵器に関する核武装国の発言を見ると、彼らは今回のコメントで明確にされた核兵器関連の義務を拒絶し、あるいはその履行を拒み続けるようだ。にもかかわらず、今回の一般コメントは、少なくとも核軍縮に対して5つの貢献をしている。

第一に、一般コメントは、人権法と核兵器の不使用・軍縮義務との間に強いつながりを見出している。

その結果、「軍備管理と人権との間をつなげるような議論が、人権委員会や、人権関連のその他の国連機関(とりわけ、核兵器に対して脆弱である女性や子ども、先住民族の権利に関連する機関)において核兵器に反対する取り組みを進める中で市民運動によって利用されていくことだろう。」と、SAFNA人権委員会のダニエル・リーティケル博士が述べている。

第二に、一般コメントは、核武装国やその同盟国がNPT第6条や国連関連決議、及びその他の国際法に基づいて課されている義務にハイライトを当てた。

第三に、一般コメントは、一部の核武装国やその同盟国がすでに加入している関連条約を絡める形で核軍縮や核の不使用の義務を前進させるアプローチを示した点である。こうしたアプローチが試されている条約の例が、国際刑事裁判所に関するローマ規程である。

第四に、一般コメントが、「核兵器の使用や実験によって、その生命に対する権利が悪影響を受けたり、あるいは現在受けている犠牲者に対する適切な賠償を行う」義務を確認する中で、WMDや犠牲者支援に関連した人道的取り組みに支持を与えた点である。こうした側面は、核兵器禁止条約第6条に盛り込まれているが、NPTや化学兵器禁止条約、CTBT、生物兵器禁止条約には存在しないものである。

第五に、一般コメントは、核軍備管理や軍縮に関する既存の合意にある要素を繰り返したり、それらを補完したりすることで、その履行に対するさらなる推進力を与えている。(11.27.2018) INPS Japan/ IDN-InDepth News

※著者は、世界未来評議会平和・軍縮プログラムのコーディネーター、核不拡散・軍縮議員連盟(PNND)のグローバル・コーディネーター、平和を求めるアオテアロア弁護士の会(国際反核法律家協会のニュージーランドでの加盟組織)の国際代表。