Reporting the underreported threat of nuclear weapens and efforts by those striving for a nuclear free world.

A project of The Non-Profit International Press Syndicate Group with IDN as flagship agency in partnership with Soka Gakkai International in consultative
status 
with ECOSOC.

 

A New Handbook on Parliamentary Action for Disarmament

軍縮に向けた議会の行動に関する新たなハンドブック発行

Photo: The consultation event for the publication at the UN in February 2019. Credit: UN.【ジュネーブIDN=ジャムシェッド・バルーア】

国連のアントニオ・グテーレス事務総長が2018年5月に「私たち共通の未来を守る:軍縮へのアジェンダ」を発表してから約1年半、安全保障と持続可能な開発に向けた軍縮を促進する新たなハンドブックが出された。そのアプローチと焦点は主に「軍縮アジェンダ」を基礎としたものである。「私たち共通の未来を確実にする」と題されたこのハンドブックは、4つの国際的な議会組織と2つの国際的な政策団体が11月5日に発行したもので、軍縮の広範な問題に関する効果的な政策や議会の行動について、その背景と事例を示したものである。

そうした軍縮問題には、大量破壊兵器、通常兵器、小型武器、未来の兵器技術、宇宙やサイバー空間における軍縮問題などが含まれる。そのことは、軍縮問題が、持続可能な開発の問題や、新型コロナウィルス感染症のようなパンデミックの問題といかにつながっているかを示している。

 

国連軍縮部の協力を得て作られた同書は、軍縮の重要性を再確認し、効果的な軍縮政策を策定し、監視・履行する上で議員が果たすきわめて重要な役割について述べている。

ガイドブックは「議会と議員には、軍縮協定を批准し、国の履行措置を採択し、軍縮を支援する予算を割りあて、政府の軍縮履行義務を監視し、模範的な政策と実例に焦点を当てて広め、地域及び世界において議員・議会間の協力を構築する責任がある」と指摘し、「議会の行動は、国家安全保障の優先事項を、軍事安全保障に主眼を置いたものから、協力と人間の安全保障に重点を置いたものへとシフトさせる上で、極めて重要である。」と付け加えている。

中満泉 国連事務次長・軍縮担当上級代表は、「議員らは、国連事務総長の『軍縮アジェンダ』を履行していくための重要なパートナーです。このハンドブックは、豊富な実例を通じて議員らに指針となる原則を示すことで、『私たち共通の未来を確保する』ための議会の行動に向けた貴重な資料を、議員や有権者に提供している。」と語った。

 

ハンドブックは、国連事務総長の「軍縮アジェンダ」に沿って、次のような内容を盛り込んでいる。

人類を救う軍縮:核兵器、生物兵器、化学兵器、宇宙兵器に焦点。

命を救う軍縮:人道主義的で、安全保障や法的側面に関わる原則を基礎とした兵器の規制に焦点を当て、通常兵器や小型武器、非人道的兵器(地雷やクラスター弾など)、人口密集地での爆発性兵器の使用、適用可能な国際法の概要について記述。

将来世代のための軍縮:自立型兵器システムやサイバー空間での戦力の使用など、新たな兵器技術に焦点を当てる。

パートナーシップの強化:軍縮における様々な有権者や利害関係者について、議員が軍縮に関するイニシアチブに関していかに彼らと連携できるかに焦点を当てる。

 

ハンドブックにはまた、軍縮や気候変動、持続可能な開発、パンデミックと軍縮、公衆衛生、経済的な持続可能性に関連した議会の行動に関する内容も盛り込まれている。

全体で53項目にのぼる議会による行動のための提言と、85項目の効果的な政策や議会による行動例が紹介され、リスト化されている。これらの事例は世界のすべての地域をカバーしており、この問題が包摂的で党派を超えたアプローチを必要とすることを反映している。

ハンドブックの作成に際して、「核不拡散・軍縮議員連盟」(PNND)と「列国議会同盟」(IPU)は、議員や軍縮専門家、国連軍縮部関係者、包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO)などの条約機関の関係者、国連加盟国の代表、主要な市民団体関係者などと、オンラインや対面を通じて協議している。これらの協議を通じたフィードバックが、効果的な政策や議会の行動の実例など、ガイドブックの内容に反映されている。

ハンドブックを編集したのはPNNDのグローバル・コーディネーターであるアラン・ウェア氏であり、「ジュネーブ安全保障政策センター」「列国議会同盟」「地球規模問題に取組む国際議員連盟」「核不拡散・軍縮議員連盟」「小型武器に関する議員フォーラム」「世界未来評議会」の共同の取り組みとして、国連軍縮局からの後援を得て出版された。

これらの組織のリーダー等が、以下のような言葉をハンドブックに残している。

 

マリア・エスピノーサ(世界未来評議会メンバー、第73回国連総会議長)

「軍縮に関する必携のハンドブック。各国で効果的な軍縮政策・軍縮法を前進させ、地域・国際レベルで協力を促進しようという議員にとって貴重な資料です。」

 

マーティン・チャンゴン(列国議会同盟事務局長)

「さまざまな政治的立場の政治家を巻き込むことが、世界中の人々にとっての平和・安全・民主主義・経済的幸福を高め、地球を守るための軍縮措置を前進させる上で肝要だ。軍縮の重要性は、新型コロナウィルスの感染拡大に照らしても明らかになってきている。よい公衆衛生システムや科学、エビデンス重視の政策、国際協力、知識を蓄えた市民社会、平和は、銃や爆弾などとはまた違った意味で、パンデミックと闘う『武器』になる。」

 

ナビード・カマール議員(「地球規模問題に取組む国際議員連盟」国際の平和・安全プログラム責任者、パキスタン元国防相)

「『安全と持続可能な開発のための議員軍縮ハンドブック』の発行を強く支持する。このハンドブックは、主唱者でもあり立法者でもある議員が、軍縮目標を前進させる決定的かつ媒介的な貢献を成すための数多くの方法を紹介したすばらしい資料だ。」

 

デイジー・リリアン・トルネ・バルデス(「小型武器に関する議員フォーラム」議長)

「国連事務総長が2018年に発表した『軍縮アジェンダ』は、今日の世界にとって極めて重要かつ必要とされているものだ。議会の行動が、軍縮や平和、持続可能な開発を世界で推進し、小型兵器の野放図な移転を防ぐうえで決定的だ。このハンドブックは、議員が今後進めていく軍縮への取り組みを刺激する歓迎すべき書である。」

 

フィル・トワイフォード議員(ニュージーランド軍縮・軍備管理相、元PNNDニュージーランド支部議長)

「人間の安全保障や外交、国際的な紛争解決、法と強い結びつきを持った適切な軍縮措置は、武力紛争を減らし、命を救い、世界全体で1兆9000億ドルに上る軍事予算を削減するのに役立つ。これによって、気候保護や公衆衛生を促進し、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためのさらなる予算を捻出することができる。」

 

クリスチャン・ダシー大使(「ジュネーブ安全保障政策センター」所長)

「ジュネーブに集まる各種国際機関のひとつとしての『ジュネーブ安全保障政策センター』が、軍備管理と軍縮に関する議会の行動に関するこの有益なハンドブック作成のパートナーになれたことを喜ばしく思う。この分野で大いに必要とされている進展を可能ならしめるエネルギーと革新的な思考を私たちは必要としている。」

 

アレクサンドラ・ワンデル(「世界未来評議会」事務局長)

「政策決定者には、現在及び将来世代に対する責任がある。このハンドブックは、より平和的な世界の構築に向けて議員らが取り組むための完璧なツールだ。」(12.20.2020) INPS Japan/ IDN-InDepth News