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UN Warned of an Impending Threat from a Climate-Nuclear Nexus

国連が気候危機と核の脅威のネクサス(関連性)による差し迫った脅威を警告

Photo credit: UNFOLD ZERO【ニューヨークIDN=タリフ・ディーン】

核軍縮に関する国連総会ハイレベル年次会合は9月28日に開催されたが、今年の特徴は気候問題に取組む若い活動家等が史上初めて参加し、気候危機と核の脅威のネクサス(関連性)による差し迫った脅威について警告を発した点だ。

世界未来評議会のユースプレゼントイニシアチブYOUNGOのメンバーでありスイス出身のマリー・クレア・グラフ氏は、会場の各国代表に向かって、「私たちは、過去と現在に決められた政策が招いた影響を経験しています。そうした決定は私たち青年が関与していないにもかかわらず、皆さんと等しく、人類の生存そのものを脅かす複数の危機に直面しているのです。中でも最たる危機が、気候危機と核兵器の脅威に他なりません。」と語った。

グラフ氏はまた、「これらの危機はいずれも国境や世代を超えて悪影響を及ぼすものであり、対処するには、各国の国益や軍事主義よりも、地球規模の国際協力と共通の安全保障が優先されなければなりません。」と語った。

グラフ氏はさらに、「気候危機と核の脅威のネクサスは、『核兵器からカネを動かせキャンペーン』や『人と地球を守る:核なき世界の実現を訴える』等の市民社会によるイニシアチブに組み込まれている。」と指摘した。

「核なき世界」の実現に向けて国連に焦点をあてたイニチアチブや行動のためのプラットフォームであるUNFOLD ZEROは、気候変動と核軍縮運動の双方において、成功を収めていくためには、青年が中心となった新しい考えや行動が重要だと述べている。

また今回の核軍縮に関する国連総会ハイレベル会合は、核兵器廃絶のための国際デー(9月26日)を記念する行事を兼ねていた。

また、今回のハイレベル会合は、南太平洋の島国バヌアツ共和国が国連総会の演説で、現在と将来の世代が気候変動から守られるべきだという権利に関して、国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を求めると表明した4日後に開催された。

バヌアツ共和国の行動は、環境保護団体「気候変動と戦う太平洋諸島の学生」と「気候正義を求める世界の若者たち」が始めたイニシアチブである。

このイニシアチブは、バヌアツ共和国も中心的な役割を果たした1996年の核兵器の威嚇または使用の合法性に関する国際司法裁判所勧告的意見から着想を得たものである。

今年の国連総会ハイレベル・ウィークでは、食糧不安(9月23日)、気候変動(9月20日)、核軍縮(9月28日)をテーマにした3つのハイレベル会合に、各国の元首、外務大臣、大使等60人から75人が登壇した。

これらの会合に対する、おそらく最も辛辣な反応は、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんによるものだった。彼女は、気候サミット(他の2つのハイレベルサミットにも当てはまるかもしれない)に言及して、「『排出ゼロ』だとかどうのこうの、『気候中立』とかどうのこうのと、指導者と呼ばれる人たちから発されるのはこうした言葉だけ。聞こえは良いが行動に結びついていない。私たちの希望や夢は、彼らの空約束の中に埋もれてしまう。」と、世界の首脳を口まねで嘲笑した。

「世界未来評議会」メンバーでPNNDグローバル・コーディネーターのアラン・ウェア氏は、IDNの取材に対して、「気候危機と核兵器の脅威の間には相関関係があります。つまり、紛争時に核兵器が使用されると壊滅的な気候危機を引き起こす可能性があります。一方、気候変動は核兵器使用(紛争発生)のリスクを高めるのです。現在世界で核兵器に費やされている予算は年間1000億ドルに及んでおり、地球温暖化ガスの削減や石化燃料の使用を段階的に廃止していくために、国際社会が切実に必要としている資源を奪っているのです。」と語った。

核戦争防止国際医師会議」( IPPNW )のプログラム・ディレクターであるジョン・ロレツ氏は、IDNの取材に対して、「明らかに、核兵器の廃絶に焦点をあてるあらゆる政府間協議は重要であり、『核兵器の全面的廃絶のための国際デー』もそうですが、これまで以上にもっとメディアが取材してしかるべきだと思います。」「これから開催予定の会合の中でとりわけ重要なものがあります。来年3月中旬に予定されている核兵器禁止(核禁)条約第1回締約国会議です。核軍縮に関して、もしなにか前進が見られるとすれば、この会議の行方次第です。」と指摘したうえで、「これからこの会議が開催されるまでに会議の成果に前進が見られるとすれば、その指標として次の4点を提案したい。1)これから締約国会議までに、新たに何か国が締約国に加わるか。2)非締約国の中から、何か国が締約国会議にオブザーバー参加するか。そして、その中に核兵器保有国が含まれているかどうか。3)締約国会議の議題が、核廃絶の根拠として、核兵器と核戦争が引き起こす壊滅的な帰結に再び焦点をあてるものになるかどうか。4)締約国が、とりわけ核兵器と核抑止について烙印を押すべく、核兵器保有国とその同盟国に対して条約を駆使して圧力を加えるための現実的かつ効果的な計画を打ち出すことができるかどうか。」と語った。

「こうした指標はすべて、核禁条約を生み出した、政府と市民社会組織と国際機関という前例のない連合が団結して、核兵器禁止プロセスを推し進めた危機感を再び構築できるかという全体的な疑問に行き着くのです。第1回締約国会議は、おそらくこの疑問に答えるものとなるでしょう。」と、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のプログラム・ディレクターで、同平和と健康ブログの編集員でもあるロレツ氏は語った。

国連によると、世界的な核軍縮の実現は国連創設以来最も古くからの目標であり、1946年に採択された国連総会第1号決議のテーマであった。国連はその決議の中で、核エネルギーを管理するための詳細な提案を作成し、核兵器や大量破壊が可能なすべての兵器の廃絶を任務とした原子力エネルギー委員会(1953年に解散)を創設している。

「以来、国連は核軍縮を目指す数々の主要な外交的取り組みの最前線に立ってきた。1959年、国連総会は全面的かつ完全な軍縮という目標を承認した。1978年にはさらに進んで、第 1 回国連軍縮特別総会において、核軍縮を最優先目標とすべきことが確認された。歴代の全ての国連事務総長が、この目標を積極的に推進してきた。」

しかし今日、依然として約13,080発の核兵器が存在する。

「核兵器を保有する国々は、いずれも資金が豊富で核兵器を近代化する長期計画を持っている。世界人口の半数以上が、核保有国と核の傘に依存する国に暮らしている。冷戦の絶頂期と比べれば、実戦配備された核兵器の数は大幅に減っているものの、条約に従って物理的に破壊された核兵器は一つもない。さらに、目下のところ、核軍縮交渉は行われていない。」と国連は述べている。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、ハイレベル会合での演説で、「新戦略兵器削減条約(新START)の延長と戦略対話を開始することを決めた米ロ首脳の決断は歓迎すべき第一歩です。」と語った。

その意味では、今年1月に発効した核禁条約も歓迎すべき第一歩である。「この条約の目標を支持し、世界規模の核軍縮アーキテクチャにおける核禁条約の位置づけを認めるよう、すべての政府に要請します。そして来年には、締結国がこれまでの成果をもとに前進する新たな機会が訪れることでしょう。」とグテーレス事務総長は語った。

そうした機会の一つが、長らく延期されてきた核不拡散条約再検討会議の開催である。次回の再検討会議は、各国がこれまでに公約してきた内容を再確認し軍縮を推し進める重要な局面となる。

「こうした協議の場は、核爆発のリスクを低減する新たな方策を採択する絶好の機会です。もちろん、核リスクの根絶は、核兵器の廃絶を意味します。私たちはこの目的に向かって、取り組みを続けていかなければなりません。」と、グテーレス事務総長は語った。

つまり、大量破壊兵器の廃絶とともに、通常兵器及び新戦闘技術の拡散防止にも取り組んでいくことが、軍縮事項の中核である。

「しかし核兵器が廃絶されるまでは、核兵器のいかなる使用も防止することが、すべての国の利益にかなうのです。来る会合を成功させ、新(=核禁)条約を稼働させるための取り組みを支持するよう、すべての締約国と協力していくのを楽しみにしています。」とグテーレス事務総長は語った。(09.29.2021) INPS Japan/ IDN-InDepth News