Reporting the underreported threat of nuclear weapens and efforts by those striving for a nuclear free world.

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Stockholm Initiative Determined to Achieve the Elimination of Nuclear Weapons

ストックホルム・イニシアチブ、核廃絶への決意を示す

Photo: Gathering of Stockholm Initiative for Nuclear Disarmament against the backdrop of the city of Stockholm (August 2020) showing the Kastellet, Vasa Museum, and Nordic Museum.【ベルリン/ストックホルムIDN=ラメシュ・ジャウラ】

「核軍縮とNPTに関するストックホルム会合」(構成16カ国)が、2022年1月4~28日の日程で開催される第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議に対して、「人類を守るという利益のために、政治的リーダーシップを発揮し、条約の下でなされた公約や成果を尊重し、非核兵器世界に向けた決定的な道筋へと導くよう」求めた[訳注:再検討会議は、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、再度の延期が決まった]。

2019年にスウェーデンで開始された「ストックホルム・イニシアチブ」は、核軍縮に実践的な推進力をもたらし、核兵器国と非核兵器国の架け橋となることを目的としている。

同グループがストックホルムで開催した5回目の関係閣僚会合ではさらに次のように決議した。「不可逆的で検証可能、透明な形で核兵器の廃絶を達成し、中間的措置として、核兵器のリスクを低減する決意で我々は一致している。」

会合の議長は、スウェーデンのアン・リンデ外相と、ドイツのアナレーナ・ベアボック外相が務めた。他の参加国は、アルゼンチン・カナダ・エチオピア・フィンランド・インドネシア・日本・ヨルダン・カザフスタン・オランダ・ニュージーランド・ノルウェー・韓国・スペイン・スイスである。

ベアボック氏は12月8日にドイツ外相に指名されたばかりである。同氏が第5回閣僚会合に初参加する以前、ドイツ外務省は「我が国は、国際軍縮イニシアチブを固めるうえで主導的な役割を果たすことを追求する」と述べていたが、これはまさに、ベアボック氏の前任者ハイコ・マース氏が行っていたことであった。

2020年にベルリンで開催された閣僚会合では、NPT創設50周年に合わせて全ての加盟国に参加を呼び掛けた共同宣言も採択されていた。その中には、核軍縮を前進させるための「飛び石」と呼ばれる提案も含まれていた。例えば、核戦力の完全なる透明性の確保、核ドクトリンにおけるより厳格な制約、エスカレーションのリスクを低減する措置、米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長(2021年1月)、さらなる備蓄の削減、その他の広範な将来的措置である。

同グループは今回、NPT50周年から2年後に予定された第10回NPT再検討会議を3週間後に控えて、会合を持った。

第5回関係閣僚会合は次のように述べる。「来るNPT再検討会議は、核軍縮に向けた高いレベルのコミットメントを全ての国が示す重要な機会となる。『核軍縮とNPTに関するストックホルム・イニシアチブ』はこの点において実行可能な道を示してきた。我々は、条約が引き続き成功するように各国を導くうえで、再検討会議の議長であるグスタボ・ズラウビネン大使の取り組みを完全に支持する。」

閣僚会合は、同イニシアチブの文書にNPTの他の20カ国が新たに賛同したことを歓迎した。予想通り、ストックホルム平和イニシアチブは全ての加盟国に対して「とりわけ再検討会議の成果文書の起草において、これらの文書に盛り込まれた文言や実行可能なアイディアに引き付けた議論を行うよう」求めた。

閣僚会合は、米ロ間の新START延長に関する合意と、「戦略的安定対話」を発表した2021年6月の両国の大統領声明を歓迎した。同声明には「核戦争に勝者はなく、したがって戦われてはならない」と再確認する文言が含まれていた。

これらは間違いなく、ストックホルム・イニシアチブの核軍縮に向けた2つの「飛び石」に対応した望ましい前進である。関係閣僚らはさらに、米中両国による2021年11月16日の首脳会談にも言及した。

しかし、いくらかの前進が見られたにも関わらず、残された作業は多い。NPT上の5つの核兵器国には条約の下での特別の責務があり、自らの核戦力を減らさねばならない。また、その他の核保有国の間にも、軍縮の意思は明確にみられない。

第5回閣僚会合は「核兵器国の間に信用と信頼を構築することで、世界の核軍縮の長期的な停滞にピリオドを打つのに役立つことであろう。」と述べた。

閣僚らは、全ての核兵器国に対して、次の世代の軍備管理取り決めに向けた基礎作業を行い、核戦力をさらに削減し、核爆発実験の完全停止に向けたリーダーシップを発揮し、核分裂物質生産禁止条約の交渉を開始し、多国間核軍縮検証能力構築に向けた取り組みを支援することを求めた。

閣僚らは、対話プラットフォーム、訓練、インターンシップ、フェローシップ、奨学金、モデルイベント、青年グループ活動など、若い世代と関与するための「核軍縮の前進に向けた飛び石的取組み」の呼びかけを改めて強調した。また、広島・長崎や、セミパラチンスクや太平洋などの元核実験場を含めた、核兵器によって影響を受けた地域への訪問やそれらの地域との交流を行うよう呼びかけた。

さらに閣僚らは、多様なジェンダーの観点を包含し、核軍縮の意思決定において女性を実効的に参加させる決意をあらためて述べた。(12.25.2021) INPS Japan/ IDN-InDepth News