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Failure of Review Conference Brings World Close to Nuclear Cataclysm, Warn Activists - Japanese

活動家が警告「NPT運用検討会議決裂で世界は核の大惨事に近づいた」

【国連IPS=タリフ・ディーン】

核不拡散条約(NPT)運用検討会議は、4週間の協議を経て、予想された結果に終わった。すなわち、会議終盤に議長が各国に提示した最終文書草案の内容は、核保有国と核兵器に依存するその同盟国の見方や利益をおおよそ反映したものだった。

婦人国際平和自由連盟(WILPF)のプロジェクト「リーチング・クリティカル・ウィル」のレイ・アチソン氏はIPSの取材に対して、「NPT運用検討会議の成果文書を策定するプロセスは、反民主的で不透明なものでした。」と指摘したうえで、「最終文書の草案には、核軍縮を前進させるような意味ある措置がなかったばかりでなく、従来からの約束を後退させるものでもありました。」と語った。

一方で一部の外交筋によれば、今回の会議で勝利を収めた国がひとつあったという-イスラエルである。イスラエルは、中東唯一の核保有国であり、長らく提案されている「中東非核・非大量破壊兵器地帯の創設に関する国際会議」の開催を拒絶しつづけている国でもある。

NPT運用検討会議が最終日の22日深夜まで長引くなか、(中東の非核化に関する)会議を来年3月1日までに招集することを盛り込んだ最終文書案に反対していたのは、米国、英国、カナダであった(現在のカナダ政府は「イスラエルよりも親イスラエル的」だと言われている)。

アチソン氏が語るように、「これら3カ国が、核保有国でありNPT加盟国ですらないイスラエルのために最終文書案の採択(NPT加盟国191カ国・地域の「全会一致」が原則)を妨げたことは、皮肉である。」

「NPT運用検討会議のタウス・フェルキ議長が『NPTはそのすべての加盟国のものだ』と主張していましたが、空しく響きました。」とアチソン氏は付け加えた。

アメリカ・フレンズ奉仕委員会(AFSC)全米軍縮コーディネーター.のジョセフ・ガーソン氏はIPSの取材に対して、「問題は米国とイスラエルでした。もっともイスラエルはNPTに署名すらしていない数少ない国の一つですが。」と指摘したうえで、「このきわめて重要な2015年NPT運用検討会議が失敗に終わった主な責任は、(同じく最終文書案が採択されず決裂した)2005年NPT運用検討会議の時と同じく、米国にあります。」と語った。

AFSCの平和・経済安全保障プログラムの責任者でもあるガーソン氏はさらに、「米国、英国、カナダは、イスラエルを非難するのではなく被害者側を非難したのです。つまり、中東非核・非大量破壊兵器地帯創設の呼びかけを会議の最終宣言で再確認すべきだと主張したエジプトを、最終文書案の採択を不可能にした首謀者だと非難したのです。しかし、この主張は本末転倒としか言いようがありません。」と語った。

ガーソン氏は、「ロイター通信が会議終了前日の21日に報じたところによると、米国は、運用検討会議最終文書の草案テキストについて、『妥協の余地があるかどうか話し合うため』に、イスラエルに「政府高官」を派遣しています。」と語った。

「しかしイスラエルは明らかに最終文書案を拒絶したわけです。こうして、バラク・オバマ大統領の核なき世界の実現に対する表面的なコミットメントは、イスラエルの頑強な抵抗を前に融解してしまったのです。」とガーソン氏は語った。

核政策法律家委員会のジョン・バローズ事務局長は、IPSの取材に対して、「この20年間にNPT運用検討会議でなされた軍縮に関する誓約の問題点は、内容が不十分であったというのではなく、むしろNPT上の核保有国がそれを実行してこなかったことに問題があるのです。」と語った。

またバローズ事務局長は、多くの非核保有国が2015年の運用検討会議に向けて、(過去の誓約を)履行するためのメカニズムとプロセスに焦点を当てていた、と指摘した。

この点に関して、採択に至らなかった最終文書の草案は、核兵器なき世界の達成と維持に向けた法的取り決めを含め、効果的な軍縮措置を「確定し検討する」公開作業部会を国連総会が設置するように勧奨していた。

国際反核法律家協会(IALANA)国連事務所の所長でもあるバローズ氏は、「NPT運用検討会議の決裂は別として、この秋に行われる予定の、軍縮と国際安全保障に関する次の国連総会セッションにおいて、この構想実現に向けた取り組みを追求することが可能だし、またそうすべきです。」と語った。

アチソン氏は、世界の国家(そしてNPT加盟国)の過半数である107か国が、核兵器の禁止と廃絶に向けた法的ギャップを埋めることを約束した(オーストリア政府主導の)「人道の誓約(=オーストリアの誓約を改称)」に賛同している点を指摘したうえで、「2015年運用検討会議の成果はこの『人道の誓約』に他なりません。」と語った。

「人道の誓約」に現在およびNPT運用検討会議後に賛同した国々は、核兵器を禁止する法的拘束力のある文書策定に向けた新たなプロセスの基礎として、このプラットフォームを活かしていくべきだ。

アチソン氏は「このプロセスを、たとえ核保有国の参加が得られなかったとしても速やかに開始しなくてはなりません。広島・長崎への原爆投下から70周年にあたる今年は、このプロセスを開始するにふさわしい年だとすでにみなされているのです。」と指摘したうえで、「核兵器を禁止する条約を目指すことが、引き続き軍縮に取り組む国々にとって、最も実行可能な行動です。」「今回のNPT運用検討会議は、核保有国や核に依存するその同盟国にリーダーシップや行動を求めることは無駄な努力であるということを明確に示した機会となりました。」と語った。

この文脈には、核兵器を絶対悪とみなし、禁止し、廃絶する断固とした行動が必要とされる。

「核兵器を拒絶する国々は、核兵器保有国抜きでも前進し、世界を牛耳ろうともくろむ暴力的な少数の国々から世界を取り戻し、人間の安全保障とグローバル正義の新たな現実を作り出すという信念を持たねばなりません。」とアチソン氏は訴えた。

ガーソン氏は、「大きな悲劇は、運用検討会議の失敗でNPTの信頼性が損なわれ、核拡散の危険が増していく事態、そして、核兵器国が自国の核戦力と運搬手段を21世紀仕様にするための「近代化」政策を急速に進める中、この新たな核軍拡競争に歯止めがかからないという事態です。」と語った。

ガーソン氏は、「NPT運用検討会議が失敗したことで、核の大惨事が引き起こされる危険性とその結果として「核の冬」が現出する可能性が高まりました。」と語った。

(今回のNPT運用検討会議での)米国の拒否権発動は、諸政府、とりわけ米国を動かすために必要な民衆の力を作り出そうとするならば、シングル・イッシュー型民衆運動の殻を打ち破ることが決定的に重要であることを示している。

ガーソン氏は、「ここ数十年の間に、米国の核軍縮運動と、公正なイスラエル・パレスチナ和平を求める運動がより一体化していたならば、NPT運用検討会議の流れは違ったものになっていたかもしれません。」と指摘したうえで、「もし私たちが勝利しようとするならば、核軍縮運動は、平和や正義、環境の持続性を求める諸運動と共通の訴えを持たねばなりません。」と語った。

「中東非核兵器地帯に向けた作業を進めるとの約束は、NPTが無期限に延長された1995年に合意され、その後の2000年と2010年に開催された運用検討会議の最終文書でも再確認されたにも関わらず、オバマ大統領はイスラエルに『ノー』を言うことを拒み、一方では、核戦争の危険を低減する重要なステップに『イエス』ということを拒んだのです。」

「ノルウェーとメキシコ、オーストリアで開催された、『核兵器の人道的影響に関する国際会議』で指摘されていたように、核保有国がこれまで行ってきた核の威嚇と、これらの国々が引き起こしてきた核兵器を巡る事故や誤算の歴史と振り返れば、今日私たちが生きているのは、政策決定の成果というよりも、単に幸運に恵まれただけなのです。」

「NPT運用検討会議の失敗は、単に好機を逸したというのみならず、これによって世界は核の大惨事に一歩近づいたのです。」とガーソン氏は力説した。

バローズ氏は、IPSの取材に対して、「NPT運用検討会議の議論は、核保有国が自国の核戦力の警戒態勢を解除し、削減し、全廃するとの誓約を果たしているかどうか、核戦力の近代化は核軍縮の達成と矛盾するものではないかどうかという点について、核保有国と非核保有国の間で根深い意見の対立を示すものでした。」と語った。

核保有国は、こうした問題に明確に答えようとしなかった。

核保有国が「いつものやり方」で事にあたろうとしていたとするならば、非核保有国のアプローチを特徴づけたものは「事態に対する切迫感」であった。このことは、オーストリアが提案した「人道の誓約」に、運用検討会議終盤までに100か国以上が賛同したという事実にもよく表れている。

「人道の誓約」は、「核兵器がもたらす受け入れがたい非人道的な影響に照らして、核兵器を絶対悪とみなし、禁止し、廃絶する」取組みを行うよう、署名国に求めている。(05.23.2015) IPS Japan