Reporting the underreported threat of nuclear weapens and efforts by those striving for a nuclear free world.

A project of The Non-Profit International Press Syndicate Group with IDN as flagship agency in partnership with Soka Gakkai International in consultative
status 
with ECOSOC.

 

An Eminent Buddhist Leader Urges Nuke Disarmament Summit

著名な仏教指導者、核軍縮サミット開催を求める

【ベルリン/東京IDN=ラメシュ・ジャウラ、浅霧勝浩】

Demonstration in Lyon, France in the 1980s against nuclear weapons tests. /Wikimedia Commons.日本の仏教哲学者・平和活動家である池田大作氏は、世界の核兵器の90%以上を保有している米国とロシアの首脳会談を早期に開催し、核軍縮に向けた世界的なうねりを生み出すことを提唱した。

仏教団体である創価学会インタナショナル(SGI)の池田会長の提案は、2017年1月26日に発表された第35回平和提言「希望の暁鐘 青年の大連帯」に盛り込まれている。

この提言は、ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領が「まるで世界が戦争の準備を進めているかのようだ」と警告する中で出されたものである。ゴルバチョフ氏は『タイム』誌に寄稿した記事の中で、「今日の世界は問題で溢れかえっている。

政策当事者たちは困って、どうしたらいいか分からないようだ。しかし、政治の軍事化と新たな軍拡競争ほど、今日において緊急の問題はないだろう。この破滅的な競争を止め、反転させることが、私たちの最優先課題であるべきだ。現在の状況はあまりにも危険だ。」と述べている。

ゴルバチョフ氏は、国連安保理が「元首級」の会合を開き、「核戦争は許されず、決して遂行されてはならないと謳う決議を採択する」よう求めた。

池田会長の平和提言はまた、米国のドナルド・トランプ大統領が核の危険を減らすのか、それとも自滅的な軍拡競争につながる行動に訴えるのかについて、専門家が読み切れずにいる中で発表されたものでもある。

トランプ大統領が1月20日に第45代米国大統領に就任する5日前、『サンデー・タイムズ』紙は、「トランプ大統領の初外遊として恐らくはアイスランドの首都レイキャビクでロシアのウラジミール・プーチン大統領との首脳会談を計画している、とトランプ大統領の側近が英国当局に対して語った。」と報じた。同紙は、匿名筋の情報として、トランプ大統領が核兵器を制限する協定の策定を始めることを計画し、ロシアも会談開催に合意したと報じている。

同紙によれば、トランプ大統領はアイスランドの首都で1986年にロナルド・レーガン大統領(当時)がソ連のゴルバチョフソ連共産党書記長(当時)と行った首脳会談に追随しようとしているという。米ソ両首脳は、冷戦の最中、重要な核軍縮条約を策定すべく会談を行った。しかし、トランプ政権のショーン・スパイサー報道官はこの報道を否定し、ツイッターで「100%事実無根」と述べている。

池田会長は平和提言で、師である創価学会の戸田城聖第2代会長が60年前の1957年に発表した「原水爆禁止宣言」を想起している。戸田会長は、核抑止は幻想に過ぎないことを明らかにしようとし、核兵器の使用は決して正当化されないと力説した。

池田会長は12月23日に国連総会で採択された決議を歓迎している。これは、(軍縮と国際安全保障問題を扱う)国連総会第一委員会が10月27日に採択した決議を受けたものである。同決議は、一部の核保有国からの強い反対を受けながらも、核兵器禁止条約に関する交渉を開始することを決定したものである。

国連総会は、「核兵器を禁止しその完全廃絶につなげるような法的拘束力のある文書」を交渉するすべての加盟国に開かれた会議を2017年3月から開始することを決めた。ニューヨークの国連本部で開催される予定のこの会議は、3月27日~31日と6月15日~7月7日の2つの会期に分かれている。

池田会長は、この交渉に核保有国の参加が厳しい予想ではあるが、唯一の戦争被爆国である日本には、できるだけ多くの国々に参加を働きかける道義的責任がある、と強調している。

池田会長は、そうした法的文書の制定は、いかなる国にも核戦争による惨劇が絶対に繰り返されないための地球的共同作業である、と指摘したうえで、核兵器禁止条約は、核不拡散条約(NPT)に一致すると強調している。NPTの第6条は、完全な核軍縮に向けて誠実に交渉を行うことを締約国に求めている。

池田会長は、この交渉プロセスにおける市民社会の行動は、核兵器禁止条約を「民衆の主導による国際法」として確立する流れを作り出す力になると見ている。

SGIの35回目の平和提言の重要性は、この提言が『原子科学者紀要』の科学・安全保障理事会が、「世界終末時計」の70年の歴史上初めて、この象徴的な時計の針を、午前0時(=人類の絶滅)に向けて30秒進めた(=あと2分30秒)日と同じ1月26日に発表された点にある。

世界終末時計の針を動かす決定は、『原子科学者紀要』科学・安全保障理事会が、15人のノーベル賞受賞者を含む同誌の支援者会議との協議のうえで行っている。

『原子科学者紀要』は「理事会は、米国の新大統領であるドナルド・トランプ氏というたった1人の言葉を元にこの決定をなしたが、これもまた初めてのことだ。」と述べている。

終末時計に関する科学・安全保障理事会の声明全文は、2016年1月には時計の針は動かされず「午前0時まで3分」に留まったと指摘している。なお、2015年には時計の針が「午前0時まで5分」から「3分」に進められ、1980年代の軍拡競争の時代以来、午前0時に最も近づいていた。

理事会はさらに、「2016年を通じて、核兵器と気候変動という人類の存在を脅かす最も緊急の脅威に効果的に取り組むことに国際社会が失敗する中で、世界の安全保障環境は悪化した。」と述べている。

「この既に危機的な世界情勢は、2016年にナショナリズムが世界的に高揚したことが背景にある。例えば、米国大統領選で勝利を収めることになるドナルド・トランプ氏は選挙期間中、核兵器の使用と拡散について不安感を煽る発言をし、気候変動に関して科学的に圧倒的な一致を見ている事柄についての不信を表明した。…」

「史上初めて、針を1分未満動かすという理事会の決定は、この声明を発表する時点で、トランプ氏が米国大統領に就任してほんの数日であるという、単純な事実を反映している。…」

こうした背景により、核兵器を禁止し「核兵器なき世界」を導くための重要なステップとして、核軍縮に向けた世界的な流れを構築するよう繰り返し訴えてきた池田会長の提言に、さらなるスポットライトが当たることになる。

また池田会長は、こうすることで、アントニオ・グテーレス国連新事務総長をはじめとする勢力と、手を携えていくことになる。グテーレス事務総長は、「軍縮は、既存の紛争を終わらせ、新たな紛争の発生を予防するうえで、重要な役割を担いうる。」と論じ、「すべての大量破壊兵器の廃絶と通常兵器の厳格な規制を積極的に追求する」ことを誓っている。

グテーレス事務総長は、1月23日に2017年(全3会期)の第1会期を開始したジュネーブ軍縮会議へのビデオメッセージで、「私は核兵器なき世界の実現に向けて最大限努力します。」と宣言している。(1.27.2017) INPS Japan/ IDN-InDepth News