Nuclear Abolition News and Analysis

Reporting the underreported threat of nuclear weapens and efforts by those striving for a nuclear free world.
A project of The Non-Profit International Press Syndicate Group with IDN as flagship agency in partnership with Soka Gakkai International in consultative
status with ECOSOC.

logo_idn_top
logo_sgi_top

Watch out for our new project website https://www.nuclear-abolition.com/

About us

TOWARD A NUCLEAR FREE WORLD was first launched in 2009 with a view to raising and strengthening public awareness of the urgent need for non-proliferation and ushering in a world free of nuclear weapons. Read more

IDN Global News

Kazakh President Offers Astana as Venue for Disarmament Negotiations with North Korea

|カザフスタン|首都アスタナを対北朝鮮軍縮協議の場に

【国連IDN=サントー・D・バネルジー】

Photo: Nursultan Nazarbayev, President of Kazakhstan and President of the Security Council for the month of January, addresses the Security Council meeting on Non-proliferation of Weapons of Mass Destruction, with a focus on confidence-building measures. 18 January 2018. United Nations, New York. UN Photo/Eskinder Debebe.今年は、国連が核を「持つ国」と「持たざる国」の双方を招いた核不拡散条約(NPT)の署名開放(1968年7月1日)から7月で50年周年を迎える。こうしたなか、中央アジアのカザフスタンが、国連で大量破壊兵器の不拡散を目的とした6項目の提案を行い、北朝鮮との軍縮協議の場を提供する意向を示している。

このイニシアチブは1月18日、カザフスタンが国連安全保障理事会(安保理)議長国の立場で招集した「大量破壊兵器の不拡散:信頼醸成措置」について話し合う公開会合において発表された。同日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「冷戦終焉後、核兵器に関する世界の懸念が現在、最も大きくなっている。」との懸念を表明していた。

この会合で演説したカザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、「信頼醸成措置は歴史を通じてその効果を証明してきました。」と語った。例えば、人類が新たな大規模戦争に突入する瀬戸際にあった20世紀後半において、信頼醸成措置が、大量破壊の阻止に役立っていた。

ナザルバエフ大統領は、「国連憲章が謳うように、『戦争の惨害から将来の世代を救うことが我々共通の目的です。」と指摘したうえで、「カザフスタンは自発的に核軍縮を行うことでその目的の実現に向けて本気で取り組んでいることを証明し、国際社会から高く評価されてきました。」と語った。

旧ソ連邦の一部を構成していたカザフスタンには、当時、1410発のソ連の戦略核弾頭と、数量が公開されていない戦術核兵器が、領土内に配備されていた。ソ連の二大核実験場の一つはカザフスタン東部のセミパラチンスクにあり、少なくとも460回の核実験が行われた。ソ連が崩壊後の1991年に独立をはたすと、カザフスタンはソ連時代の核戦力を全て放棄する道を選んだ。

ナザルバエフ大統領は、「カザフスタンは、自国領内に国際原子力機関(IAEA)低濃縮ウラン(LEU)バンク映像資料)を設立することを引き受けることで、国際協力の新たなモデルを打ち立て、不拡散体制を強化しました。」と語った。

そして、自国が核兵器を放棄し隣国と相互不可侵条約を結んで独立国としての地位を一層強固にしたことや、核軍縮を通じて国際的地位を築いてきた経緯を強調したうえで、「核兵器を放棄しようとする国々にとり、カザフスタンの経験は、指針になることができます。」と語った。そして、北朝鮮指導部に対して、「私たちが歩んだこの道をたどってほしい。」と呼びかけた。

北朝鮮は、2003年1月10日にNPTからの脱退を表明した。脱退はすぐに発効し、それ以来、2006年、2009年、2013年、2016年に2回、2017年と、計6回の核実験を行ってきた。

ナザルバエフ大統領は、このような状況を踏まえ、6項目の提案を行った。

第一に、NPTからの脱退手続きをより難しくして、他国が北朝鮮の先例に倣って核兵器保有に走らせないようにすることである。「NPTに対する疑問を呈することなく、NPTの違反国に対する制裁や執行措置を含め、その帰結を定義するような国連安保理特別決議の起草を呼びかけたい」とナザルバエフ大統領は語った。カザフスタンは、2017~18年において、15カ国で構成される国連安保理の非常任理事国を務めている。

中央アジアの国で国連安保理の理事国に就任したのはカザフスタンが史上初めてである。そしてまた、国際の平和と安全の維持に第一義的な責任を負い影響力のある安保理の議長国になったのも、初めてのことだ。

第二の措置として、ナザルバエフ大統領は、大量破壊兵器の取得と拡散に対するより厳しい措置を適用するメカニズムの構築を呼びかけた。それはまた「別の安保理決議で強化されるべきだ。」とも語った。加えて、核兵器を自発的に放棄した国々は、核保有国からの強力な保証を受けるべきだ、と語った。

第三に、世界の安全保障体制の強化に成功するか失敗するかは、「軍事面での時代錯誤的な認識を克服する能力を持ち合わせているか否かににかかっている。」として、「挑発的で意味のない軍事ブロックに分割されている状態からは脱するべきだ。」と指摘するとともに、「国連創設100周年までに相互の信頼を確立し非核化を達成するタイムリミットを、国際社会は設定するべきだ。」と語った。ナザルバエフ大統領はこの提案を、2016年に発表した「世界:21世紀」と題するマニフェストに詳述している。

第四に、ナザルバエフ大統領は、国際問題に関して政治的信頼と体系的対話を創出する必要性を力説するとともに、イラン核合意の効果を強調して、「『イランの核問題に関する包括的共同作業計画(JCPOA)』として知られるこの合意が、困難を乗り越え、合意に変更が加えられることなく成功するよう望んでいる。」と表明した。ナザルバエフ大統領は、北朝鮮問題の解決にも、イラン核合意の場合と同様のアプローチを採用するよう提案した。

さらにナザルバエフ大統領は、「私たちは、北朝鮮が交渉の席に復帰する信頼感を醸成する重要な条件として、『核五大国』が北朝鮮に対して安全の保証を与えるよう求めます。」と強調したうえで、「カザフスタンは、必要があれば、協議の場を喜んで提供する用意があります。」と語った。この提案は、カザフスタンが、シリア内戦終結を目的とした和平協議の場(アスタナ・プロセス)を提供し、首都アスタナで開催された7回に及ぶ協議により、シリア国内における暴力が著しく減少した成果を、安保理理事国に思い起こさせた。

第五に、中央アジアにおいて非核兵器地帯を創設した国々の経験を基礎にして、ナザルバエフ大統領は、中東において核・化学・生物兵器とその運搬手段を禁止する非大量破壊兵器地帯の創設を呼びかけた。中東非大量破壊兵器地帯の創設は、1995年のNPT運用検討会議でNPTの無期限延長の結果を導いた一連の決定の一部として、予定されていたものであった。

第六に、ナザルバエフ大統領は、現代の科学的成果を国際社会が利用できることを印象付け、軍備競争の抑制を強化することを訴えた。「信頼醸成措置は、宇宙空間の軍事化を予防するための共通のアプローチを構築するうえでも、必要とされていることだ。」と強調し、「この点は別の議論の場を設けたテーマになりうる。」と付け加えた。

また、こうした取り組みや、大量破壊兵器の不拡散の問題は、核兵器国の間だけではなく、世界のその他全ての国々の間の相互理解と信頼にかかっている、と強調した。

ナザルバエフ大統領は、「グローバル社会は、力強い多様性と多元性を備えた一つのまとまりであり、地上の国々と人々の間にバランスと調和が存在してはじめて存続していくことが可能なのです。」と述べ、国連安保理の役割と歴史的任務を称賛した。

ナザルバエフ大統領は、平和的共存という正しい方向を選択する共同行動の力によって倍加されるであろう人類の信用と意思の力、そして知性に対する希望を表明して、安保理での発言を締めくくった。(1.19.2018) INPS Japan/ IDN-InDepth News 

Search

Newsletter

Report & Newsletter

Toward a World Without Nuclear Weapons 2022

Scroll to Top