Nuclear Abolition News and Analysis

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Ban on Nuke Tests OK, But Where’s the Ban on Nuke Weapons? – Japanese

核実験禁止は結構なことだが核兵器禁止の議論はどこに?

【国連IPS=タリフ・ディーン】

国連が先般5回目となる「核実験に反対する国際デー(8月29日。ただし国連では9月上旬に記念セミナーや展示が行われる)」を記念するなか、潘基文事務総長は、引き続き世界が約17000発の核兵器の脅威に晒されているにもかかわらず、これまでに1発の核弾頭も廃棄されていない現状を嘆いた。

潘事務総長は、それどころか核兵器保有諸国は、潤沢な予算をかけ、むしろ核兵器の近代化を目指す長期計画を進めていると語った。

また潘事務総長は、「世界の全人口の半数以上、つまり70億を超える全人口の約半分にあたる35億人が、依然として、核兵器保有国か、或いは、安全保障をそうした国々の『核の傘』に依存している国々で暮らしています。」と指摘したうえで、「2014年現在、二国間、多国間に関わらず(核戦力削減)条約に則った形で物理的に廃棄された核兵器は一つとしてありません。また、現在進行中の核軍縮交渉も皆無の状態です。」と語った。

包括的核実験条約(CTBT)の発行要件国のうち、未だに8か国(中国、北朝鮮、エジプト、インド、イラン、イスラエル、パキスタン、米国)が条約に批准していない。

核不拡散・軍縮議員連盟(PNND)の創立者でグローバル・コーディネーターのアラン・ウェア氏はIPSの取材に対して、「8月29日の『核実験に反対する国際デー』を記念することには賛成ですが、私はCTBTの完全批准を目指すよりも、むしろ核廃絶の問題に重点を置いています。」と語った。

ウェア氏はその理由として、「今日の国際社会においては、核実験(核爆発を伴うタイプのもの)に反対する慣習的規範が定着しており、時折この規範を破っているのは(北朝鮮)一国のみとなっています。また、北朝鮮以外でCTBTに批准していない7か国については、政治状況が今より極端に悪化し、核兵器の役割が大幅に高められるような事態にでも陥らない限り、核実験を再開する可能性は低いのが現状です。」と語った。

さらにウェア氏は、「また、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会は、CTBTが依然として発効していないなかで、既に高度な国際監視システム(IMS)や検証体制等を備え極めて効果的に機能しています。」と付け加えた。

ウェア氏はまた、「(CTBTの完全批准の問題よりも)核廃絶の問題の方が、現在起こっている緊張関係や紛争とより密接に関連しています。」と指摘したうえで、「多くの国々が依然として、武力による抑止を含む軍事オプションに大きな役割を見出しているため、核兵器保有国は、核戦力を放棄しようとしないのです。その結果、私たち人類は偶発、誤算、或いは意図的な要因によって引き起こされる核紛争の危険に直面しているのです。」と語った。

カザフスタンは、1991年に自国のセミパラチンスク核実験場を閉鎖し、110基以上の弾道ミサイルと1200発の核弾頭からなる当時世界第4位の規模の核戦力を自らの意思で放棄した世界でも数少ない国の一つである。

カザフスタンのカイラト・アブドラフマノフ国連大使は、IPSの取材に対して、「核クラブ(=核保有諸国)から脱退するという当時の決断は、むしろ政治的意思の問題だった。なぜなら私たちは、人類と自然環境に想像を絶する破滅的な結果をもたらす核兵器の無益さ、それを実験し続けることの無益さを心の底から確信していたからです。」と語った。

潘基文国連事務総長は、「ソ連は1949年に初の核実験を実施して以来、その後数十年に亘って合計455回に及ぶ核実験を繰り返し、実験場周辺の住民や環境に恐ろしい影響をおよぼしてきたのです。」と指摘したうえで、「こうした核実験や、これに続いて他国で行われた数百回の核実験は、まさにMAD(=狂っている)という略称に相応しい『相互確証破壊』というドクトリンに人間の生存を依存させるという、愚かな核軍備競争の時代を象徴するものとなりました。」と語った。

「私は国連事務総長として、広島、長崎、セミパラチンスクでの原爆投下や核実験で被爆した勇気ある生存者の方々と何度もお会いしてきました。私たちは、こうした被爆者の決意と献身的努力を見習い、核兵器のない世界を目指す活動を続けるべきです。」

「世界的な核軍縮を達成することは、国連が最も古くから掲げている目標であり、その歴史は1946年の国連総会における最初の決議事項にまで遡ります。」

さらに潘事務総長は、「核抑止論は核保有国及びそうした『核の傘』に依存する同盟国の間で、安全保障政策における要素として根強く支持されています。」「核兵器が、地域規模や世界規模の核戦争で使用された場合はもとより、たとえ使用された核兵器が一発であっても壊滅的な人道的被害が発生することに対する懸念が世界的に広がりをみせているにもかかわらず、こうした現実があるのです。」と付け加えた。

現在、核不拡散条約(NPT)で核兵器保有の資格を国際的に認められた公式核兵器保有国は5ヵ国あり、つまり、米国、英国、ロシア、フランス、中国である。

これらの5ヵ国は、いずれも国連システムの中で唯一戦争と平和を宣言する(法的拘束力のある決断を下せる)権能を付与された国連安全保障理事会において拒否権を有する常任理事国(P5)でもある。

核兵器を保有している他の3カ国は、インドとパキスタン(この両国は核兵器保有を公式に宣言している)、そして(核兵器の保有を公式に宣言していない)イスラエルである。

北朝鮮は核兵器実験を行ってきているが、核保有の実態については依然として疑問視されている。

ウェア氏はIPSの取材に対して、「核実験が現地住民の健康や環境に及ぼしてきた結果を見れば、実際の紛争で核兵器が使用された場合、それをはるかに凌駕する規模の壊滅的な結果がもたらされるということの一つの目安になります。」と語った。

「カザフスタンをはじめとする国々が『核兵器のない世界』実現を目指すプラットフォームとして『核実験に反対する国際デー』の創設に動いた背景にはこうした危機感があったのです。」とウェア氏は語った。

「またマーシャル諸島政府が核保有国を(NPT義務違反として)国際司法裁判所に提訴するという、まるでダビデとゴリアテの対決のような途方もない訴訟行動を起こした背景にも、同じくこの危機感があったのです。」とウェア氏は付け加えた。

また現在世界的に勢いを増している、核兵器がもたらす非人道的な側面に注目する流れも、こうした危機感を背景に生じたものであり、今年の12月には第3回「核兵器の非人道性に関する国際会議」が、ウィーンで開催される予定である。

「しかし大規模な武力による威嚇や武力行使によらない紛争解決能力に対する信頼が高まらない限り、世界の国々は、たとえ使用する意図がなかったとしても、核抑止に頼り続けるでしょう。」「そこで、核兵器の全面的廃絶のための国際デー(9月26日)」を推進しているUNFOLD ZEROは、紛争や安全保障上の脅威を解決するために、国連を通じた対話と信頼醸成に力点を置いた強調的安全保障アプローチ(Cooperative Security Approaches)を推進しているのです。」とウェア氏は語った。

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