Nuclear Abolition News and Analysis

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Civil Society Support for Marshall Islands Against Nukes – Japanese

核兵器に対峙するマーシャル諸島を支援する市民社会

【ウィーンIPS=ジュリア・レイナー】

核兵器の非人道性に関する国際会議」が12月8日から9日までウィーンで開催されるのに先立って、世界各地から活動家らがこのオーストリアの首都に集まり、「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が開催した市民社会フォーラム(12月6~7日)に参加した。

議論された喫緊の課題の一つが、今年4月にマーシャル諸島政府が米国および他の8つの核兵器保有国に対して国際司法裁判所(ICJ)で起こした訴訟である。同国政府は、1946年から58年にかけて米国政府がこの小さな島嶼国の領内で60回以上の核実験を実施したことを非難している。

マーシャル諸島が当時米軍の核実験場に選ばれたのは、単にそこが世界から孤立している場所だったからということだけではなく、米国が実効支配する「太平洋諸島委任統治領」の一つだったからである。その後マーシャル諸島では1979年に自治が始まり、1986年には米国との自由連合盟約国として独立した。

マーシャル諸島の人々は(核実験について)何も知らされず、同意をとることもされず、長い間、核実験によって地域社会にどのような害がもたらされるかについて知らされていなかった。

その結果は非情なものであった。人々は、核実験で放射能汚染され数千年にわたって住めなくなった島から移住させられた。奇形児やガンも発生した。一方、度重なる核実験を実施した米国政府は、核実験が及ぼす害などないと主張し、適切な医療を提供することさえ拒否した。

キャッスル・ブラボー」は、1954年に米国がマーシャル諸島のビキニ環礁ウェトニク環礁で行った計6回の核実験の第一弾に与えられたコードネームであり、1945年に広島に落とされた原爆よりも1000倍強力なものであった。

ICAN市民社会フォーラムで発言したマーシャル諸島政府のトニー・デブルム外相は、核兵器なき世界に向けて立場を明確にするためにICJへの提訴を決意したと説明した。

デブルム外相は、「米国はすでにマーシャル諸島に数百万ドルを支払っており、マーシャル諸島政府としては補償を請求する意図はありません。私たちはそのうえで、核保有国に、核不拡散条約(NPT)が定める軍縮義務や国際慣習法に違反している責任を取らせたいのです。」と語った。

1970年に発効したNPTは、核軍縮と原子力の平和的利用を核兵器国に義務づけている。現在核兵器を保有している9つの国は、米国、英国、フランス、ロシア、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルである。

冷戦終結以来、ある程度の軍縮は実施されてきたが、この9か国で依然として約1万7000発の核弾頭を保有し、世界全体で年間1000億ドルを核戦力に費やしている。

数多くの組織から世界的な注目と支持を集めたマーシャル諸島の事案は「ダビデ対ゴリアテ」としばしば形容されている。マーシャル諸島の訴えを支持している著名な団体の一つが核時代平和財団である。同団体のデイビッド・クリーガー会長は、「マーシャル諸島は、小さくとも肝が据わった国だ。いじめを受けるような国でも、あきらめるような国でもありません。」と語った。

クリーガー氏はさらに、「核兵器で何が問題になっているのかをマーシャル諸島政府は熟知しています。そして人類の生存のために法廷で闘っているのです。マーシャル諸島の人々が米連邦裁判所と世界最高位の裁判所である国際司法裁判所にこの闘いを持ち込んだことに対して、支持と理解を与えなくてはなりません。」と語った。

もうひとつの強力な支持団体が創価学会インタナショナル(SGI)である。仏教団体であるSGIは平和や文化、教育を主唱し、世界中で1200万人の会員を擁する。創価学会青年部は「Nuclear Zero(核兵器廃絶)」署名運動を支持して、核兵器なき世界を求める500万を超える署名を日本で集めた(512万8259人分の署名用紙が集まったほか、多数の賛同者がインターネットによる署名を行った)。

このキャンペーンは、広島・長崎への原爆投下から70年を迎え、核不拡散条約(NPT)運用検討会議が開かれる2015年に向けて行われたものである。

ICAN市民社会フォーラムで発言したデブルム外相は、「これまで長年に亘って、(核実験によって)自分たちに起こった出来事について訴えるマーシャル諸島の人々の声は、国際社会に届けるには、十分に強く大きなものとは言えませんでした。しかし彼らは、自分たちに起こったことが地球上の誰の身にも起こってほしくないと必死に訴えているのです。」と語り、マーシャル諸島の主張を支持するよう参加者らに訴えた。

デブルム外相は続けて、「『核兵器の狂気』を止めるための訴訟を提起する機会が生まれた時、我が国はそうした手続きを踏む決意をし、その訴訟の中で『我が国がやらねば誰がやるのか、今でなければいつやるのか?』と宣言しました。」と語った。

またデブルム外相は、多くの人びとから、人口わずか7万人の国が世界最強の国々を相手に議論を醸し出している問題について訴訟に踏み切るなど馬鹿げて見えるし意味をなさないとして決断を踏みとどまるよう説得しようとするアプローチがあったことを認めた。

しかしデブルム外相は、「度重なる核実験の影響を全く受けなかったマーシャル諸島国民は誰一人としていません。私たちは核兵器の影響を直接に経験してきたことから、今回自分たちが行動に踏み切ったことを実行する責任があると感じていたのです。」と語った。

今月ウィーンで開催された「核兵器の非人道性に関する国際会議」は通算3回目の会議である。第1回はノルウェーのオスロで2013年3月に開催され、2回目はメキシコのナジャリットで2014年2月に開催された。(12.09.2014) IPS Japan

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