Nuclear Abolition News and Analysis

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Three Minutes Away from Doomsday – Japanese

地球滅亡まであと僅か3分

【国連IPS=レイラ・レンガレフ】

黙示録的なイメージ(午前零時)や核爆発という現代的な特質(ゼロへのカウントダウン)を駆使しながら人類と地球への脅威を伝えるために考案された「世界終末時計」。2012年には午前零時(=地球滅亡の時)まであと5分のところにセットされていたが、その後の野放図な気候変動や核軍拡競争の経緯から、今回時計の針が2分進められることになった。

この決定は「世界終末時計」を1947年に考案し管理している原子科学者紀要のメンバーらがワシントンDCで発表した。「世界終末時計」の分針を動かす決定は、18人のノーベル賞受賞者を含めた支援者委員会との協議を経て、原子科学者紀要理事会によって下されている。

以前に「世界終末時計」の針が、今回と同じく午前零時から3分前にまで進んだのは、原子科学者紀要が「過去数十年で米ソ関係が最も冷え込んだ」と分析した1984年のことだった。

今日の論争は、「気候上の大災害」と、不測のリスクを伴う大規模な核戦力の近代化に関して、普遍の科学法則を考慮に入れたものとなっている。

この点について原子科学者紀要のケネット・ベネディクト事務局長は、「今日の問題は、核のボタンに誰が指をかけているのかということよりも、ずっと複雑なものになってきています。」と語った。

また原子科学者紀要では、国際社会が依然として化石燃料に強く依存していることも主要な問題と捉えている。

気候変動と核の緊張は、今年の警告において同じような位置づけを与えられている。

「化石燃料燃焼技術は、(気候変動や核問題と比べると)それほど急激に世界を破壊する方法だとは見られていないかもしれませんが、実際には(地球を)スローモーションで破壊しているのです。」とベネディクト事務局長は語った。

市民の潜在能力

ストックホルム環境研究所の上級研究員で原子科学者紀要科学・安全保障委員会の委員であるシバン・カーサ氏は、「気候変動に関する国際条約、或いはいかなる国際条約に関しても、交渉担当官らは、自国の政府から付与されたかなり狭い権限内で活動しています。そして各国政府も、有権者から付託された権限内で活動しているのです。」と語った。

カーサ氏は、「国際的局面における実際の協力では、国内の有権者からそれに対する要求があること、それを推進する要望があることを前提として動いています。しかし今日、気候問題に関して行動することには、極めて強力な政治的反対論があるのが現状です。」と指摘した。

グローバル安全保障研究所のジョナサン・グラノフ所長は、世界を「終末の時」に近づけ人類の存続を脅している課題として、気候の安定や海洋の酸化、生物多様性に加え、戦略的安定に関する広範な目標や支配の追求の問題を挙げた。

グラノフ氏はIPSの取材に対して、「人類は、通常の進化の基本的ペースよりも最大1000倍の速さで様々な種を絶滅に追いやっていることを忘れてはなりません。」と指摘した上で、「科学や技術、社会組織に起因するこの種の問題の背景には、武力行使やその威嚇を通じて安全保障を追求しようとする国家間の未成熟な関係があります。そしてこうした形態の安全保障の追求に用いられている最も危険な道具が、他ならぬ世界の核戦力なのです。」と語った。

さらにグラノフ氏は、「17世紀に、世界がそれまでの都市国家による支配から国民国家から成る近代世界へと移行した当時を振り返ってみてください。当時、そうした現象が起きるには、国家のアイデンティティが必要でした。そして国家のアイデンティティは主に、国民の文法や言語(=国語)という形で起こりましたが、それは印刷術の技術革新を基盤としていました。」と指摘した上で、「今日、私たちがグローバルな文化的文法やグローバルなアイデンティティを持つことを可能にする技術は、インターネットによって提供されています。そして、グローバルな公共財に対して国益を対置するという機能不全状態から移行するためのこのツールは、事態を乗り越える潜在能力を秘めているのです。」とグラノフ氏は語った。

この分析を踏まえると、「世界終末時計」の分針は良い方向にも悪い方向にも影響されることとなる。従って、2015年は、前進(=分針を元に戻す)のための機会を提供する年だといえよう。

純然たる事実

アラン・ウェア氏は、「世界未来評議会」のメンバーであるとともに、「核兵器に対してさよならの手を振るグローバル・アクション」を推進している「グローバル・ウェイブ2015」のコーディネーターでもある。

ウェア氏は、今年4月から5月にかけて国連本部で開催予定の核不拡散条約(NPT)2015年運用検討会議を前にして、IPSの取材に応えた。

「核兵器のために浪費されている数千億ドルは、二酸化炭素(CO2)集約型経済から再生可能エネルギーを基盤とした経済に移行するために必要なものです。」「核兵器によって絶えず引き起こされている競争や対立、紛争は、気候変動に対処するために必要な協力を阻害しています。」とウェア氏は語った。

「核兵器に関する純然たる事実は、「(核兵器は)文明とは決して両立しない」ということです。都市や無辜の人びと、さらには将来世代を絶滅の危機に陥らせるようなものは、人類には相応しくないものです。」とウェア氏はIPSの取材に対して語った。

さらにウェア氏は、「そして気候変動に関しても、純然たる事実があります。それは、CO2排出経済から、再生可能エネルギーに焦点を当てた経済に移行しなくてはならないということです。」と語った。

ウェア氏はまた、これらの純然たる事実を実行に移す際にまつわる微妙な問題についても認識している。

ウェア氏はこの点について、「現在のところ、どちらの問題に関しても十分な政治的取り組みがなされていません。」と指摘した上で、その原因として、「核兵器を製造したり、石油や石炭、天然ガスを販売する企業など、再生エネルギーへの移行を目指した行動を妨げる既得権益の存在」を指摘した。

「(従って、こうした膠着状態を打破するために)私たちが目指しているのは、人々をエンパワーする(能力を引き出す)ことなのです。」とウェア氏は語った。

その意味でウェア氏は、「世界終末時計」は有益な存在だとみなしている。「なぜなら、『世界終末時計』は、単純で分かりやすく、人々に、時計の針を進めるか戻すかは自分たち次第という、当事者意識を持たせる効果があるからです。」とウェア氏は語った。(12.09.2014) IPS Japan

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