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IDN Global News

Committee on Teaching About the UN Demands ‘War No More’

 

教育に関する国連会議が「戦争はもういらない」と訴える

Photo: Leymah Gbowee, Nobel Peace laureate, Gloria Steinem, author activist and Carol Jenkins, CEO of the ERA Coalition at the War No More conference Feb 28, 2020 UN and an overview of the conference. Credit: CTAUN/Don Carlson【ニューヨークIDN=ナリン・B・スタスシス】

国連は「戦争の惨害から将来の世代を救う」決意とともに創設された。国連が今年75周年を迎える中、「国連についての教育に関する委員会」(CTAUN)が、韓国国連代表部との共催で「戦争はもういらない」という会議を2月末に開催した。

会場となった国連信託統治理事会会議場には、収容能力いっぱいの673人が集まった。そのほとんどが高校生から大学院生に到る若い学生たちや、現役・退職教員、その他、この問題に関心を持つ人々であった。

会議では、ダボス会議式の討論、授賞式、ショートフィルムなどがあった。そのすべてが「戦争はもういらない」というテーマに関連したものであった。

韓国の趙兌烈国連大使は、1950年代に戦争の惨禍に巻き込まれた朝鮮半島の歴史について語った。この戦争で生じた家族離散の問題は今日まで朝鮮半島の人々に深い爪痕を残している。

 

趙大使は、大韓民国の存在自体が「もう戦争はいらない」というメッセージへの生きた証人であり、その悲しい歴史は、韓国が平和の最も強力な擁護者でありつづけている理由である、と指摘した。

ニュースキャスターのキャロル・ジェンキンス氏が司会を務め、グロリア・スタイネム氏とノーベル平和賞受賞者のレイマ・ボウィ氏による力強い対談がそれに続いた。平和を維持し、戦争を終わらせ、女性として平和のあらゆる側面に参加するうえで、女性がいかに貢献しうるかが議論され、対談は盛り上がった。

スタイネム氏は、「宇宙船地球号」においていかにして史上初めて女性の数が男性よりも少なくなったかについて説明した。彼女によれば、これは、男性支配と、場合によっては女性への暴力を奨励する社会によるものだという。

スタイネム氏は、「自分が話すのと同じぐらい人の話に耳を傾け、タテ社会ではなくヨコ社会を目指し、事実を尊重することで、『同じであること』よりも『異なっていること』から学ぶことができます。」「平和とは木のようなものです。木は上からではなく下から育ちます。ですから国連を敬い、尊重し、圧力をかけなさい。しかし、国連が何かしてくれるのを待っていてはダメです。行動あるのみです。」と語った。

レイマ・ボウィ氏は参加者らに、「『ノー・モア・ウォー』の本質は、国連の会議場で実現できるようなものではありません。私たちは、自身の行動や、自身のやり方でのみ、次世代を導くことができるのです。」と語りかけた。

創設者のバーバラ・ウォーカー氏を記念する「CTAUN世界市民賞」の今年の受賞者は、この日の対談で何度も名前が挙がっていたコーラ・ワイス氏であった。

「ワイス氏は生粋のリーダーです。」とジェンキンス氏は語った。彼女もスタイネム氏も、ワイス氏こそが安保理決議1325の起草者であると口を揃える。今年でノーベル平和賞に5度ノミネートされたワイス氏は、生涯に亘る平和と教育への貢献から、真の世界市民として、この賞を授与された。

「平和教育と変容を促す教育」の対話は、ユン・ユンヒ氏の発表で始まった。IVECAの創設者・代表であるユン氏は「変容を促す教育」について語った。これは、問題を解決するためには共感と同情、知識、スキルが必要という理解や感覚をもってグローバル社会に生きる意識を持つよう人々の考え方を涵養する教育である。

「平和教育を目指すグローバルキャンペーン」のコーディネーターであるトニー・ジェンキンス氏は、すべての教育を変革して、「暴力の文化」の問題に対処する必要性を語った。

対話のモデレーターで「国連アカデミック・インパクト」の責任者を務めるラム・ダモダラン氏は、会議資料に印刷された、「戦争は二度とごめんだ」と題されるケーテ・コルウィッツ作の版画(1924年)のコピーに言及した。

ダモダラン氏は、「国連が、愛する人々を保護する信託を受けているというのに、国連の193の加盟国が、いったいどうやったら、娘や息子たちを戦争に送り込むことなどできようか。」と語った。

コロンビア大学の学生マーク・ウッド氏が司会を務めた「新技術」に関する対話には、軍備管理協会のマイケル・クレア上級客員研究員、「協調的安全保障グローバルセンター」のエレノア・パウエルズ上級研究員、ジャーナリストとして受賞歴があり、メディア・新技術に関する専門家であるアダオラ・ウドジ氏が参加した。

この対話では、新技術が開発されるスピードの速さが強調された。専門家らは、極超音速兵器やサイバー戦争、宇宙戦争、人工知能(AI)によっていかに戦争に変化が訪れているかを議論した。

クレア氏は、「将官や政策決定者たちが、道徳や倫理をわきまえずに新技術を積極的に兵器に応用して戦争の道具とし、影響力を増そうとしている」恐れがあると議論した。

こうした影響により、新技術が、あらかじめ埋め込まれたアルゴリズムを用いて、機械自体が戦場の状況と軍事的対応を決定するようになりかねない。この倫理的ジレンマは、人間ではなく機械が、プログラマーの偏見を反映した戦争の意思決定を行っていいのかという疑問を呈することになる。

「女性の平和と安全」と題する対話では、女性問題だけを取り上げて、女性の戦争・紛争体験が男性のそれといかに違うかについて議論された。

女性と平和、安全に関する決議が10本もある事実は、認識の変化を表している。ディナ・レイクハル氏、マリッカ・イエール氏、ヒーラ・ユン氏によるGNWPの「平和とリーダーシップを求める若い女性たち」は、これらの決議に新風を吹き込んでいる草の根団体や市民社会の力を示している。

平和教育の不可分の必要と重要性は、「ノートルダム・クロック研究所」のジョージ・ロペス名誉教授(平和学)によっても確認された。

軍縮に関する議論は、「通常兵器と核兵器で溢れた世界」に関するロペス氏の話から始まった。

中満泉国連事務次長(軍縮問題上級代表)は、アントニオ・グテーレス事務総長の軍縮に関するメッセージに言及し、「国連事務総長として、軍縮に関連する問題を総合して包括的なアジェンダをまとめて公表したのは、グテーレス氏が初めてです。」と指摘した。

中満事務次長は、連携と協力を強化するパートナーシップの必要性と、若者の重要性を強調し、グテーレス事務総長が「若者は変革をもたらす究極の力だ」と述べていることを紹介した。

平和首長会議」のランディ・ライデル専門委員は、核兵器の使用がもたらす影響は、時速400マイルの爆風、太陽の表面と同じぐらいの温度、放射線がもたらす後遺症、世代を超えた遺伝子の変化、飢饉を引き起こす気候変動など、きわめて注目に値するものだと語った。

「ニューヨーク市青年詩人賞」を受賞したキャムリン・ブルーノ氏の目の覚めるようなパフォーマンスが、この対話の最後を飾った。

「法を通じた世界平和」対話の前に、ニュルンベルク裁判で首席検察官を務めたベンジャミン・フェレンチ氏による、心に突き刺さるようなビデオメッセージが流された。ジュッタ・ベルトラム=ノスナゲル弁護士は、フェレンチ首席検察官のリーダーシップによって法が戦争に取って代わったとして感謝の意を述べた。旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷に法廷弁護士として参画したジェイムズ・T・ラニー氏は、軍備縮小や強制的国際紛争解決、様々な執行メカニズムの必要性について語った。

リヒテンシュタイン公国のクリスチャン・ウェナヴェセル大使は、侵略犯罪に関する歴史を短く紹介し、1945年に集い、国連憲章を作った人々が念頭に置いていたのは、将来の世代を戦争の惨害から救うことであったと指摘した。

1945年の国連憲章は、本質的には、他国に対する違法な武力の行使を定義している。これには2つの例外がある。一つは攻撃された場合の自衛であり、もう一つは、特別の場合において、国連安保理が加盟国による武力行使を集団的に授権する場合である。

最後にワイス氏が登壇し、会議を共催した韓国代表部への謝辞を述べたあと、「人類は(基本的に)奴隷制を廃止しました。人類は植民地主義を廃止しました。人類はアパルトヘイトを廃止しました。人類は女性参政権の禁止を廃止しました。ならば、なぜ戦争は廃止できないのか。」と問いかけた。(03.12.2020) INPS Japan/ IDN-InDepth News

 

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